薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 135
生態系を維持するための施策及び意義に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ロンドン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物種が過度に国際取引に利用されることがないように、これらの種を保護することを目的としている。
2 カルタヘナ議定書は、遺伝子組換え技術により改変された生物による、生物の多様性の保全に及ぼす悪影響を防止するための措置を規定している。
3 京都議定書(1997年)において温室効果ガスの排出量の削減目標を設定したが、この値に森林吸収量や他国での排出削減共同事業等による削減量は考慮されなかった。
4 我が国では、特定外来種が在来種の生息・生育を脅かしたり、農林水産業に被害を及ぼすなど、様々な被害を及ぼす場合、国等が必要に応じて防除を実施することが法令で定められている。
5 遺伝子組換え作物の環境に対する影響は、食品安全委員会が評価する。
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解答 2、4
1 誤
絶滅のおそれのある野生動植物種が過度に国際取引に利用されることがないように、これらの種を保護することを目的としているのは、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)である。なお、ロンドン条約(廃棄物その他の投棄に係わる海洋汚染防止に関する条約)の目的は、放射性廃棄物その他の廃棄物の海洋への故意の投棄を制限することにある。
2 正
カルタヘナ議定書は、現代のバイオテクノロジーにより改変された生物(Living Modified Organism)が生物の多様性の保全及び持続可能な利用に及ぼす可能性のある悪影響を防止するための措置を規定している。
3 誤
京都議定書(1997年)において設定された温室効果ガスの排出量の削減目標の値には、森林吸収量や他国での排出削減共同事業等による削減量が考慮されている。
4 正
外来生物法により、我が国では、特定外来種が在来種の生息・生育を脅かしたり、農林水産業に被害を及ぼすなど、様々な被害を及ぼす場合、国等が必要に応じて防除を実施することと定められている。
5 誤
遺伝子組換え作物の環境に対する影響は、カルタヘナ法に基づき環境省などが行っている。なお、食品安全委員会は、遺伝子組換え食品のヒトへの安全性の評価を行っている。
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