薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 170
薬物を静脈内投与したとき、表に示すパラメータが得られた。この薬物の全身クリアランスに関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物は肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、肝血流量は100 L/hとする。
1 肝血流量の変動の影響を顕著に受ける。
2 肝代謝酵素阻害の影響を顕著に受ける。
3 肝代謝酵素誘導の影響を顕著に受ける。
4 薬物が結合する血漿タンパク質量の変動の影響を顕著に受ける。
5 腎機能の変動の影響を顕著に受ける。
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解答 1
問題の条件より、設問中の薬物は、肝代謝により消失する割合が90%であることから、肝消失型薬物であることがわかる。よって、腎機能の変動により、この薬物の全身クリアランスはほとんど変化しないと考えられる。
表のデータより、設問中の薬物の肝クリアランスCL肝及び腎クリアランスCL腎を以下のように計算することができる。
CL肝=CLtot×0.9=90 L/h
CL腎=CLtot×0.1=10 L/h
(CLtot:全身クリアランス)
また、肝血流量Q肝が100 L/hであることから、設問中の薬物の肝抽出率E肝を以下のように計算することができる。
E肝=CL肝/Q肝=90 L/h/100 L/h=0.9
この薬物はE肝=0.9(>0.7)であることから、肝血流量依存性薬物(CL肝≒Q肝)であることがわかる。
よって、全身クリアランス≒肝クリアランス≒肝血流量となり、全身クリアランスは、肝血流量の変動の影響を顕著に受けると考えられる。
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