薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 178
下図は、乾燥工程中における乾燥時間と試料温度及び試料の含水率との関係を表している。乾燥に関する以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。
1 乾燥初期の期間(Ⅰ)では、試料温度の上昇にエネルギーが消費されるので、乾燥速度は低下する。
2 試料の含水率は、全乾燥工程中、直線的に減少する。
3 期間(Ⅱ)では、加える熱量と水分の蒸発に伴う気化熱が等しくなり、乾燥速度及び試料温度はほぼ一定となっている。
4 限界含水率より含水率が低くなる期間(Ⅲ)では、試料温度が上昇しても、乾燥速度は低下する。
5 乾燥終了時には、含水率は0%になっている。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 3、4
設問のグラフは、乾燥工程中における乾燥時間に対しての試料温度または含水率の変化を示している。
なお、グラフ中の限界含水率は恒率乾燥期から減率乾燥期に移行するときの含水率を示しており、平衡含水率はみかけ上乾燥が停止したときの含水率を示している。
1 誤
乾燥速度は乾燥時間に対して、含水率の変化を確認する事で判断できる。期間(Ⅰ)では、乾燥時間の経過に対して含水率が減少していることから、乾燥速度は上昇していると判断できる。
2 誤
設問のグラフより、含水率は期間(Ⅱ)では直線的に減少しているが、期間(Ⅰ)および期間(Ⅲ)で曲線的に減少している。全乾燥工程で直線的に減少しているわけではない。
3 正
期間(Ⅱ)では、グラフより試料温度は一定の状態である。また、乾燥時間の経過に伴い含水率が一定の割合で減少していることから、この期間の乾燥速度は一定と考えられる。
4 正
期間(Ⅲ)では、グラフより試料の温度は上昇している。また、乾燥時間に対して含水率の減少の度合いが緩やかになっているため、乾燥速度は減少していると考えられる。
5 誤
グラフの平衡含水率より、乾燥終了時でも含水率は0%ではないことが明らかである。実際の乾燥工程において水分を完全に除去するのは困難であるため、含水率が0%になることはない。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿