薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 184
C型慢性肝炎の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 インターフェロンα、β、γのいずれも治療に用いられる。
2 ウイルスのジェノタイプにより、インターフェロン治療の有効性が異なる。
3 エンテカビル水和物の併用により、インターフェロン治療の有効性が向上する。
4 リバビリンは、単独治療で用いられる。
5 テラプレビルは、CYP3A阻害作用を有する。
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解答 2、5
1 誤
C型慢性肝炎の治療には、インターフェロンα、βが用いられる。なお、インターフェロンγは、腎がん、慢性肉芽腫症に伴う重症感染の頻度と重篤度の軽減に用いられる。
2 正
C型肝炎ウイルス(HCV)には、異なる遺伝子の型(ジェノタイプ)があり、1a、1b、2a、2bなどに分けられる。日本人のHCV感染者に多いのは、1b型で約70%、2a型、2b型がそれぞれ20%、10%程度で、1a型はほとんどみられない。このうち2a型および2b型は、インターフェロン治療の効果が高いが、日本人に多い1b型はインターフェロンが効きにくいタイプとなる。
3 誤
エンテカビルは、B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制に用いられる。なお、C型肝炎のインターフェロン治療に併用することで、インターフェロンに治療効果を向上させるのは、リバビリンである。
4 誤
解説3参照
5 正
テラプレビルは、CYP3A4/5阻害作用を有する。そのため、テラプレビルとCYP3A4/5で代謝される薬剤と併用した際、併用薬の血中濃度を上昇させるおそれがある。
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