薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 実践問題 - 問 258,259
55歳男性。下記の処方せんを持って来局した。患者は半年前にヘリコバクター・ピロリ菌が陽性と診断され、かかりつけ医にて一次除菌を行ったが不成功であった。今回、二次除菌療法を行うことになった。
問258(実務)
二次除菌療法で使用される 薬剤1 として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 クラリスロマイシン錠200 mg
2 アジスロマイシン錠250 mg
3 メトロニダゾール錠250 mg
4 メベンダゾール錠100 mg
5 アルベンダゾール錠200 mg
問259(薬理)
薬剤1 の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。
1 ヒスタミンH2受容体を遮断する。
2 DNAの二本鎖を切断する。
3 リボソームの50Sサブユニットと結合し、タンパク質合成を阻害する。
4 H+,K+-ATPaseを非可逆的に阻害する。
5 ウレアーゼを阻害する。
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問258 解答 3
ヘリコバクター・ピロリ菌の一次除菌では、プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾールなど)、アモキシシリン、クラリスロマイシンが用いられ、ほとんどの場合(一次除菌を行った80〜90%)、一次除菌により、ヘリコバクター・ピロリ菌を除菌することが可能である。
一次除菌に失敗した場合は、プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾールなど)、アモキシシリン、メトロニダゾールにより二次除菌を行うことがある。
問259 解答 2
薬剤1(メトロニダゾール)の作用機序
原虫又は菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物(R−NO)に変化し、抗原虫作用、抗菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く。
1 誤
ヒスタミンH2受容体を遮断する薬物として、シメチジン、ファモチジンなどH2受容体遮断薬がある。
2 正
3 誤
リボソームの50Sサブユニットと結合し、タンパク質合成を阻害する薬物として、エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質がある。
4 誤
H+,K+-ATPaseを非可逆的に阻害する薬物として、ランソプラゾールやオメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬がある。
5 誤
ウレアーゼを阻害する薬物として、エカベトナトリウムなどがある。
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