薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 107
ヒスタミンH1受容体拮抗薬であるレボセチリジン塩酸塩に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 薬物名中のレボは左旋性に由来する。
2 血液脳関門を通過しやすくするため、カルボキシ基が導入されている。
3 エーテル結合の酸素原子は、水素結合のドナー(供与体)として、ヒスタミンH1受容体との結合親和性を高める。
4 セチリジンのラセミックスイッチ(キラルスイッチ)により開発された光学活性体である。
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解答 1、4
1 正
薬物名中のレボ(levo)は、化合物の比旋光度における左旋性(levorotatory)に由来する。なお、右旋性(dextrorotatory)の化合物の場合はデキストロ(dextro)と表記される。
2 誤
カルボキシ基を導入すると極性が高くなり脂溶性が下がるため、血液脳関門を通過しにくくなる。そのため、レボセチリジン塩酸塩は、中枢へ移行しにくいヒスタミンH1受容体拮抗薬であり、眠気などの副作用が少ない。
3 誤
エーテル結合の酸素原子は受容体と水素結合を形成するとき、水素結合のアクセプター(受容体)として働く。なお、その際水素結合のドナー(供与体)として働くのは、O-H基、N-H基、F-H基の分極により正に偏った水素原子である。
4 正
ラセミックスイッチ(キラルスイッチ)とは、ラセミ体の医薬品において薬理活性の高い異性体のみを新しく医薬品として開発することである。レボセチリジン塩酸塩は、ラセミックスイッチにより開発された光学活性体で、ラセミ体医薬品セチリジン塩酸塩のR-エナンチオマーである。
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