薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 119
補体に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 補体は主として、感染時に抗原刺激をうけたB細胞により産生される。
2 補体は、その遺伝子が再構成されて、多様な抗原結合特異性を獲得する。
3 補体成分の分解生成物の中には、血管透過性を亢進させるものがある。
4 病原体の表面に結合したC3bは、食細胞による取り込みを促進する。
5 補体系の活性化は、病原体表面に結合した抗体が補体成分を加水分解することにより始まる。
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解答 3、4
1 誤
補体は、主に肝臓などで産生され、常時血液中に存在する一群のタンパク質の総称である。抗原刺激を受けたB細胞から産生されるのは、免疫グロブリン(抗体)である。
2 誤
遺伝子が再構成されて、多様な抗原結合特異性を獲得するのは、免疫グロブリン(抗体)等である。補体は、一般的なタンパク質と同様、それらの遺伝子が再構成されて多様性をもつことはなく、抗原非特異的に働く特徴がある。
3 正
補体の分解生成物のうち、C5aは血管透過性を亢進させ好中球を遊走させる。
4 正
補体の分解生成物のC3bは、オプソニン化作用を有する。C3bが病原体に結合することで、食細胞による取り込みを促進する。
5 誤
補体系の活性化のうち古典的経路は、病原体表面に結合した抗体に結合した補体成分(C1)の自己分解とそれに続くC4の加水分解により始まる。したがって、抗体が補体成分を加水分解することにより補体の活性化が始まるのではない。
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