薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 135
ハロアルカン類の化合物には、オゾン層破壊効果や温室効果を持つものがある。それらは、オゾン層破壊効果の強弱に基づき3つの群に分類される。下図は、冷媒として使用するハロアルカン類の国内出荷量を、地球温暖化係数を用いて二酸化炭素相当量に換算し、その経年変化を表したものである。②群に分類される化合物の構造式を2つ選べ。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2、4
ハロアルカン類(フロン)は、冷蔵庫やクーラーなどの冷媒や、スプレー缶などに使用されてきたが、1974年にフロンがオゾン層を破壊することがわかった。オゾン層が破壊されると、太陽からの有害な紫外線が地表に到達し、生態系に影響が現れるため、1987年にオゾン層保護対策を推進し、オゾン層破壊の原因とされるフロン等の排出抑制などの規制を行うモントリオール議定書が採択された。モントリオール議定書では、まずは最もオゾン層破壊作用が強い特定フロン(一般に塩素、フッ素、炭素から成る;クロロフルオロカーボン)を1996年に全廃することを決定した。特定フロンの代替として、ハイドロクロロフルオロカーボン(特定フロン中の塩素原子の一部を水素に置換して分解されやすくしたもの)が使用されたが、後にハイドロフルオロカーボンやパーフルオロカーボン(構造中に塩素を含まないため、オゾン層破壊作用をもたない)への代替が開始された。
グラフの①群は、1990年から1993年にかけて国内出荷量がピークであり、それ以降出荷量が減少し、1999年には完全に出荷されなくなっている。よって①群に該当するものは、特定フロン(選択肢1と5)であるといえる。
グラフの②群は、1990年から1996年まで国内出荷量は横ばいであるが、1997年以降出荷量が減少している。よって②群に該当するものは、代替フロンのハイドロクロロフルオロカーボン(選択肢2と4)であるといえる。
グラフの③群は、①群(特定フロン)と②群(ハイドロクロロフルオロカーボン)の国内出荷量が減少するにつれて増加していることから、オゾン層を破壊しないハイドロフルオロカーボン(選択肢3)であるといえる。
-
解説動画1 ( 07:14 )
-
※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です
再生速度
|
|
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿