薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 158
利尿薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 インダパミドは、Na+-K+-2Cl-共輸送体を選択的に阻害する。
2 ブメタニドは、Na+-Cl-共輸送体を選択的に阻害する。
3 トラセミドは、Na+-K+-2Cl-共輸送体を阻害するとともに、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体を遮断する。
4 カンレノ酸は、集合管上皮細胞のNa+チャネルの発現を抑制する。
5 トリアムテレンは、集合管上皮細胞のNa+チャネルを遮断する。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 4、5
1 誤
インダパミドは、チアジド系類似薬であり、遠位尿細管におけるNa+−Cl-共輸送系を阻害することで、水の再吸収を抑制し利尿作用を示す。
2 誤
ブメタニドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa+−K+−2Cl-共輸送系を阻害して利尿作用を示す。
3 誤
トラセミドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa+−K+−2Cl-共輸送系を阻害して利尿作用を示す。また、アルドステロン受容体遮断作用を併せもつため、他のループ利尿薬と比較して低カリウム血症をおこしにくい。
4 正
カンレノ酸は、アルドステロン拮抗薬であり、遠位尿細管から集合管においてアルドステロン受容体を遮断することで、アルドステロンによる集合管上皮細胞のNa+チャネルの発現及びNa+-K+交換系を抑制して利尿作用を示す。
5 正
トリアムテレンは、遠位尿細管及び集合管において、アルドステロンとは無関係に管腔側膜のNa+チャネルを抑制することで利尿作用を示す。また、このNa+チャネルによるNa+流入と関連したK+分泌を間接的に抑制するため、K+保持性の利尿作用を現す。
-
解説動画1 ( 12:46 )
-
※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です
再生速度
|
|
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿