薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 実践問題 - 問 326
薬剤師がチーム医療の中で、積極的に行うことが期待されている行為として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 薬剤の投与量、投与方法、投与期間等を薬剤師の判断で変更する。
2 薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、薬剤師の判断で薬剤の変更を行う。
3 入院患者の持参薬の内容を確認した上で、薬剤師の判断で服薬計画を立案し、医師に対し提案する。
4 在宅患者に対して、栄養状態を考慮したうえで薬剤師の判断で輸液の投与を行う。
5 長期処方においては、薬局で患者の副作用の発現状況を定期的に確認するために、薬剤師の判断で、医師に照会後、処方内容を分割して調剤する。
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解答 3、5
医療スタッフの協働・連携によるチーム医療に関する厚生労働省医政局通知(平成22年4月30日医政発0430第一号)には、チーム医療において薬剤師を積極的に活用することが可能な業務について記載されている。
1. 薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。
2. 薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。
3. 薬物療法を受けている患者(在宅の患者を含む。)に対し、薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)を行うこと。
4. 薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。
5. 薬物療法の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。
6. 外来化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームドコンセントを実施するとともに、薬学的管理を行うこと。
7. 入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し、服薬計画を提案するなど、当該患者に対する薬学的管理を行うこと。
8. 定期的に患者の副作用の発現状況の確認等を行うため、処方内容を分割して調剤すること。
9. 抗がん剤等の適切な無菌調製を行うこと
なお、薬剤師の判断により、投与量、投与方法、投与期間、薬剤の変更、輸液の投与等を行うことはできない。よって、選択肢1、2、4は、薬剤師がチーム医療の中で、積極的に行うことが期待されている行為として適切であるといえない。
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