薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 実践問題 - 問 329
72歳男性。薬局に以下の処方箋を持参した。検査値を見せてもらうと血清カリウム値が基準値の上限を超えていた。
薬剤師が処方医に疑義照会すべき医薬品はどれか。1つ選べ。
1 ランソプラゾール口腔内崩壊錠
2 スピロノラクトン錠
3 アムロジピン錠
4 ピタバスタチンCa錠
5 メトプロロール酒石酸塩錠
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解答 2
設問より、本患者は血清カリウム値が基準値の上限を超えていることがわかる。このことから、本患者に対して、高カリウム血症の患者に投与禁忌の薬物や重大な副作用として高カリウム血症を起こす薬物が処方されている場合、処方医に疑義照会する必要がある。
1 誤
ランソプラゾールは、プロトンポンプ阻害薬であり、重大な副作用として、アナフィラキシー、汎血球減少症、無顆粒球症、中毒性表皮壊死症などを起こすことがあるが、高カリウム血症を起こすとの報告はない。
2 正
スピロノラクトンは、カリウム保持性利尿薬であり、重大な副作用として、電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症など)を起こすことがある。そのため、本患者にスピロノラクトンが処方されている場合は疑義照会すべきである。
3 誤
アムロジピンは、カルシウムチャネル遮断薬であり、重大な副作用として、劇症肝炎、肝機能障害、無顆粒球症、横紋筋融解症などを起こすことがあるが、高カリウム血症を起こすとの報告はない。
4 誤
ピタバスタチンは、HMG−CoA還元酵素阻害薬であり、重大な副作用として、横紋筋融解症、ミオパチー、肝機能障害、血小板減少などを起こすことがあるが、高カリウム血症を起こすとの報告はない。
5 誤
メトプロロールは、選択的β1受容体遮断薬であり、重大な副作用として、心原性ショック、うっ血性心不全、肝機能障害などを起こすことがあるが、高カリウム血症を起こすとの報告はない。
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