薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 109
天然物A〜Eの生合成に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。
1 天然物Aは、イソプレン単位3個から生合成される。
2 天然物Bは、2分子のフェニルプロパノイドから生合成される。
3 天然物Cは、1分子のアセチルCoAと7分子のマロニルCoAから生合成される。
4 天然物Dは、1分子のフェニルプロパノイドと2分子のマロニルCoAから生合成される。
5 天然物Eは、チロシンから生合成される。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2、3
1 誤
天然物Aは、ホルボールの構造であり、ジテルペノイドに分類される。テルペノイドは、イソプレン(C5)を構成単位とする一群の天然物化合物の総称である。炭素数によりヘミテルペン(C5)、モノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、セスタテルペン(C25)、トリテルペン(C30)、テトラテルペン(C40)に分類される。天然物Aのホルボールに関しては、炭素数を20個有するため、ジテルペノイドであり、イソプレン(C5)単位4個(イソプレノイド経路由来)から生合成される。
2 正
天然物Bは、ポドフィロトキシンの構造であり、リグナンに分類される。フェニルプロパノイド(シキミ酸経路由来)は、フェニルアラニンを起源として、1−フェニルプロパノール(C6−C3)が複数重合した化合物及び化合物の誘導体の総称である。その中でもリグナンは、1−フェニルプロパノール(C6−C3)が2分子から生合成される。
3 正
天然物Cは、エモジンの構造であり、アントラキノン類に分類される。1分子のアセチルCoA(酢酸−マロン酸経路由来)と7分子のマロニルCoA(酢酸−マロン酸経路由来)から生合成される。
4 誤
天然物Dは、クエルセチンの構造であり、フラボノイドに分類される。1分子のフェニルプロパノイド(シキミ酸経路由来)と3分子のマロニルCoA(酢酸−マロン酸経路由来)から生合成される。
5 誤
天然物Eは、レセルピンの構造であり、アルカロイドに分類される。レセルピンはインドール骨格をもつため、トリプトファン(アミノ酸経路由来)から生合成される。なお、チロシンから生合成されるものとしては、イソキノリン骨格をもつアルカロイドなどがある。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿