薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 132
化学物質の遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 Ames試験は、化学物質の遺伝毒性をSalmonella Typhimurium変異株の復帰突然変異の出現頻度により検出する方法である。
2 Ames試験で用いる細菌は、ヒトや動物の組織と同様の異物代謝反応を起こす変異株である。
3 化学物質による染色体切断後の修復の度合いを観察する試験として、特定の細菌を用いたコメットアッセイがある。
4 ほ乳動物細胞を用いたin vitro小核試験では、細胞分裂が阻害されて生じる小核を検出する。
5 遺伝毒性の有無は、Ames試験に加え、げっ歯類又はほ乳動物細胞を用いた試験を組み合せて評価される。
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解答 1、5
1 正
Ames試験は、ヒスチジン要求性のSalmonella Typhimurium(ネズミチフス菌)に被検化合物を加えて培養し、ヒスチジン非要求性株への復帰突然変異の出現頻度により化学物質の遺伝毒性を検出する方法である。
2 誤
Ames試験で用いる細菌(ヒスチジン要求性)は、ヒトや動物に存在する異物代謝酵素の多くが欠如しているため、ヒトや動物の組織と同様の異物代謝反応を起こさない。
3 誤
コメットアッセイは、被検化合物を処理した細胞を電気泳動することで、被検化合物のDNA傷害性を評価する遺伝毒性試験である。
なお、コメットアッセイでは、被検化合物を処理した細胞のDNA及び染色体修復度合いを観察することも可能である。
4 誤
ほ乳動物細胞を用いたin vitro小核試験は、被検化合物を処理した細胞を細胞分裂させたときに生じる小核の出現頻度より、被検化合物の染色体異常を評価する遺伝毒性試験である。
5 正
通常、被検化合物の遺伝毒性の有無は、複数の遺伝毒性試験の結果を組み合わせて評価する。
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