薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 162
血液・造血組織に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞に作用して赤血球への分化・増殖を促進し、腎性貧血を改善する。
2 メコバラミンは、腎切除後の患者において低下している食物からのビタミンB6の吸収を促進し、巨赤芽球性貧血を改善する。
3 葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進し、鉄芽球性貧血を改善する。
4 フィルグラスチムは、顆粒球系前駆細胞からの好中球産生を促進し、好中球減少症を改善する。
5 ミリモスチムは、トロンボポエチン受容体を刺激し、血小板減少症を改善する。
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解答 1、4
1 正
ダルベポエチンアルファは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体に特異的に作用し、赤芽球系前駆細胞を分化・増殖させることで赤血球産生を促進するため、腎性貧血の治療に用いられる。
2 誤
メコバラミンは補酵素型ビタミンB12製剤であり、巨赤芽球性貧血の治療に用いられる。ビタミンB12は、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働き、メチル基転移反応に関与する。
3 誤
葉酸は、核酸合成の補酵素として働き赤血球産生に関与するため、葉酸欠乏性の巨赤芽球性貧血の治療に用いられる。
4 正
フィルグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であり、顆粒球前駆細胞から好中球への分化・増殖を促進するため、好中球減少症治療薬として用いられる。
5 誤
ミリモスチムは、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)製剤であり、単球系前駆細胞から単球・マクロファージへの分化・増殖を促進するため、顆粒球増加促進薬として用いられる。なお、トロンボポエチン受容体を刺激し血小板減少症を改善するのは、エルトロンボパグやロミプロスチムである。
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