薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 175
放出制御製剤に用いられる添加物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 エチルセルロースは、水に不溶であり、徐放性のコーティング剤として用いられる。
2 乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内分解性であり、持続性注射用マイクロスフェアの基剤として用いられる。
3 ヒドロキシプロピルセルロースは、水和によりゲル化するため、徐放性のマトリックス基剤として用いられる。
4 ヒプロメロースは、pH5以下の水溶液には溶解しないため、腸溶性の被膜剤として用いられる。
5 エチレン・酢酸ビニル共重合体は、経皮治療システムの放出制御膜基剤として用いられる。
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解答 4
1 正しい
エチルセルロースは、水には全く溶解せず、有機溶媒のみに溶解する物質である。そのため、徐放性のコーティング剤として用いられる。また、ヒプロメロースと共に用いると徐放化効果の他に、製剤の苦味のマスキングにも期待することができる。
2 正しい
乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内で徐々に分解されるため、持続性注射用マイクロスフェアの基剤として用いられる。持続性注射用マイクロスフェアの基剤を用いた代表的な製剤として、リュープロレリン酢酸塩注射剤などがある。
3 正しい
ヒドロキシプロピルセルロースは、水を添加するとゲル化する特徴がある。そのため、徐放性のマトリックス基剤以外にも、結合剤や増粘剤としても用いられる。
4 誤っている
ヒプロメロースは、胃溶性の被膜剤(コーティング剤)として用いられる。腸溶性の被膜剤として用いられるのは、ヒプロメロースフタル酸エステルなどである。
5 正しい
エチレン・酢酸ビニル共重合体は不溶性の高分子膜であり、経皮治療システムの放出制御膜基剤として用いられる。
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