薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 実践問題 - 問 216,217
震度7の地震が発生し、多くの住民が家屋を失った。多数の人が狭い避難所や自家用車の中で1日の大部分を過ごしているので、過去の震災での経験から深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の発症が危惧された。
問216(実務)
被災地支援の薬剤師が避難所等を巡回する際に、エコノミークラス症候群予防のために提供する情報として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
1 足の腫れや痛みがある時には、すぐに医療機関を受診してください。
2 ゆったりとした服装で過ごしてください。
3 1、2ヶ月以内に大きな手術を受けた方はご相談ください。
4 水分の摂取を控えてください。
5 足や足の指をこまめに動かしてください。
問217(物理・化学・生物)
肺血栓塞栓症において、下肢静脈で生じた血栓が肺へ到達する経路として、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→右心房→右心室→肺静脈→肺
2 大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺
3 総腸骨静脈→大腿静脈→門脈→下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺
4 総腸骨静脈→大腿静脈→下大静脈→左心房→左心室→肺静脈→肺
5 大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→左心房→左心室→肺動脈→肺
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問216 解答 4
深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)とは、長時間座っていることによる血流の停滞で下肢に深部静脈血栓が生じ、その後歩行などによる血流再開により血栓が遊離して肺塞栓症を起こす疾患である。車内での寝泊まり後や長時間の飛行機での移動後、手術後など血流が停滞しているときに好発するため注意が必要である。
エコノミークラス症候群の予防法としては血液を停滞させないために、足をこまめに動かしたり揉んだりすること、ゆったりとした服装で過ごすこと、こまめな水分摂取などがあげられる。また、長時間座っていた状況で足の腫れや痛みがある時には本症を発症している可能性があるため、すぐに医療機関を受診するよう指導する。
問217 解答 2
エコノミークラス症候群では、下肢で生じた血栓が大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺の順で肺に到達し塞栓を起こすことより、呼吸困難などの症状があらわれる。
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解説動画1 ( 06:55 )
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