薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 実践問題 - 問 338
50歳女性。体重50 kg。激しい腹痛のため来院した。検査の結果、腹痛は小腸の炎症によるものと判明した。食事が摂れないため、エネルギー基質としてアミノ酸(3.0 w/v%)及びブドウ糖(8.0 w/v%)を含有する輸液を末梢静脈より投与することとなった。本製剤を1日あたり1,500mL投与するとき、患者の総エネルギー消費量(TEE)に対する総投与エネルギー量の割合(%)として最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、基礎エネルギー(BEE)は25 kcal/kg/日で概算できるものとし、この患者の活動係数は1.2、ストレス係数は1.0とする。
1 15
2 30
3 45
4 60
5 75
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 3
基礎エネルギー(BEE:basal energy expenditure)とは、安静臥床・絶食時における生命の維持に消費されるエネルギー量を示しており、これに活動係数とストレス係数を乗じることで総エネルギー消費量(TEE:total energy expenditure)を求めることができる。TEEは、設問よりBEE=25 kcal/kg/日、活動係数=1.2、ストレス係数=1.0とあるため、以下のように計算される。
TEE=BEE×活動係数×ストレス係数
=25 kcal/kg/日×50 kg×1.2×1.0
=1500 kcal/日
また、総投与エネルギー量は、アミノ酸(3.0 w/v%)及びブドウ糖(8.0 w/v%)を含有する輸液を1500 mL投与することから、以下のように計算される。
アミノ酸(3.0 w/v%) 3 g/100 mL×1500 mL×4 kcal/g=180 kcal
ブドウ糖(8.0 w/v%) 8 g/100 mL×1500 mL×4 kcal/g=480 kcal
輸液による総投与エネルギー量 180 kcal+480 kcal=660 kcal
よって、本製剤を1日あたり1,500mL投与するとき、患者の総エネルギー消費量(TEE)に対する総投与エネルギー量の割合(%)は(総投与エネルギー量/患者の総エネルギー消費量)×100=44%となる。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿