薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 117
結核菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 結核菌は、外毒素を菌体外へ分泌する。
2 結核菌の細胞壁には、ペプチドグリカンやミコール酸が存在する。
3 気道から侵入した結核菌は、肺で肺胞マクロファージに貪食され、そのマクロファージ内で増殖する。
4 結核菌感染の既往の有無を調べるためのツベルクリン反応は、典型的なⅡ型アレルギーである。
5 結核予防に用いられている生ワクチンBCG株は、ヒト型結核菌の弱毒株である。
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解答 2、3
結核菌は、マイコバクテリウム属に属する偏性好気性のグラム陽性桿菌であり、細胞壁にペプチドグリカンやミコール酸を有する。マイコバクテリウム属細菌は、染色されにくいが、一旦染色されると強酸やアルコールで脱色処理しても容易には脱色されないことから抗酸菌と呼ばれる。
1 誤
外毒素は、菌体外に分泌される毒素であり、特定のグラム陽性菌及びグラム陰性菌が産生するが、結核菌は外毒素を菌体外へ分泌しないとされている。
2 正
前記参照
3 正
結核菌は、他の生物の細胞内で増殖可能な細胞内寄生体であるため、肺で肺胞マクロファージに貪食された後、そのマクロファージ内で増殖することが可能である。
4 誤
ツベルクリン反応は、Ⅳ型アレルギー(遅延型アレルギー)を利用したものであり、結核菌培養ろ液から精製した抗原を皮内投与し、48時間後に接種部位の発赤等を測定して感染を診断する方法である。
5 誤
結核予防に用いられている生ワクチンBCG株は、ウシ型結核菌の弱毒株である。
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