薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 128
予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。
2 先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。
3 小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。
4 現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。
5 麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MRワクチンが用いられている。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2、4
予防接種は、予防接種法で定められた定期接種と任意接種の2つに分類される。予防接種法に基づく定期接種では、対象疾病をA類疾病(13疾病)とB類疾病(2疾病)の2つにわけ、それぞれに予防接種の対象疾病及び接種時期(対象年齢)を定めている。
1 誤
予防接種法において、A類疾病は主に集団予防目的に比重を置き、国民は予防接種を受ける努力義務(勧奨接種)がある。一方、B類疾病は主に個人予防目的に比重を置き、国民は予防接種を受ける努力義務(勧奨接種)がない。
2 正
風疹は、妊娠初期の妊婦が感染すると、高率で胎児に感染し、先天性風疹症候群を引き起こす。そのため、妊娠する可能性のある女性は、妊娠前に抗体検査を行い、抗体価が低い場合は風疹ワクチンを接種する。なお、風疹ワクチン接種後2ヶ月間は妊娠をしないように注意する必要がある。
3 誤
予防接種法において、インフルエンザはB類疾病に該当するため、原則65歳以上の者が接種の対象となる。なお、小学生を対象としたインフルエンザワクチンの予防接種は任意接種に該当する。
4 正
現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、ポリオ(不活化)、ジフテリア、百日咳、破傷風の4種混合ワクチン(DPT−IPVワクチン)が用いられている。
5 誤
現在、定期接種において、麻疹及び風疹に対するワクチンとして、MR(麻疹・風疹)混合ワクチンが用いられている。なお、流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)の予防接種には、流行性耳下腺炎ワクチンが用いられる。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿