薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 139
表は、1999〜2014年度における、ある大気汚染物質Aの年平均値(昼間の日最高1時間値の年平均値)及び環境基準達成率を示している。大気汚染物質Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 石炭や重油などの化石燃料の燃焼時に、燃料中の硫黄から生成する。
2 大気中の窒素酸化物や炭化水素類などの一次汚染物質と紫外線との反応により、二次的に生成する。
3 化石燃料中に含まれる窒素化合物や空気中の窒素が、燃焼時に酸化されて生成する。
4 高濃度で曝露されると、気管支や肺への障害に加え、メトヘモグロビン血症を引き起こす。
5 頭痛、眼やのどへの刺激、呼吸困難を引き起こしたり、植物の葉を変色させることがある。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2、5
大気汚染物質Aは、光化学オキシダントである。近年の光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局のどちらも1%未満である。
1 誤
石炭や重油などの化石燃料の燃焼時に、燃料中の硫黄から生成する大気汚染物質は、硫黄酸化物(SOx)である。
2 正
光化学オキシダントは、大気中の窒素酸化物や炭化水素類などの一次汚染物質と紫外線との反応により、二次的に生成する。なお、光化学オキシダントは、中性ヨウ化カリウムからヨウ素を遊離する酸化性物質(NO2を除く)の総称であり、オゾンやペルオキシアシルナイトレート(PAN)などを含む。
3 誤
化石燃料中に含まれる窒素化合物や空気中の窒素が、燃焼時に酸化されて生成する大気汚染物質は、窒素酸化物(NOx)である。
4 誤
高濃度で曝露されると、気管支や肺への障害に加え、メトヘモグロビン血症を引き起こす大気汚染物質は、NO2である。
5 正
光化学オキシダントは、強い酸化力を有し、ヒトに対して目の痛みや吐き気、頭痛などを引き起こり、植物の葉を変色させる。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿