薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 156
本態性高血圧治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アテノロールは、血管平滑筋細胞のCa2+チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させる。
2 ドキサゾシンは、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することで血管平滑筋を弛緩させる。
3 トリクロルメチアジドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送系を阻害することでNa+の再吸収を抑制する。
4 テルミサルタンは、アンギオテンシンⅡによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。
5 アリスキレンは、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示す。
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解答 3、4
1 誤
アテノロールは、選択的にアドレナリンβ1受容体を遮断し、ノルアドレナリンによる心機能亢進作用及びレニン分泌促進作用を抑制することで降圧作用を示す。なお、血管平滑筋細胞のCa2+チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させるのは、ニフェジピン、アムロジピンなどのCa2+チャネル遮断薬である。
2 誤
ドキサゾシンは、選択的にアドレナリンα1受容体を遮断し、ノルアドレナリンによる血管収縮を抑制することで降圧作用を示す。なお、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することで血管平滑筋を弛緩させるのは、クロニジンなどのアドレナリンα2受容体刺激薬である。
3 正
トリクロルメチアジドは、チアジド系利尿薬であり、遠位尿細管においてNa+-Cl-共輸送系を阻害してNa+の再吸収を抑制することで降圧作用を示す。
4 正
テルミサルタンは、アンギオテンシンⅡAT1受容体を遮断し、アンギオテンシンⅡによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。
5 誤
アリスキレンは、直接レニン阻害薬であり、アンギオテンシノーゲンからアンギオテンシンⅠへの変換を阻害することで、アンギオテンシンⅠの産生を抑制する。その結果、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの合成を抑制することで降圧作用を示す。なお、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示すのは、スピロノラクトン、カンレノ酸などの抗アルドステロン薬である。
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