薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 157
呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの分泌を抑制する。
2 カルボシステインは、気道粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合を開裂させることで去痰作用を示す。
3 フルマゼニルは、肺伸展受容器を選択的に抑制することで鎮咳作用を示す。
4 ノスカピンは、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示すが、呼吸抑制作用はない。
5 テオフィリンは、ホスホジエステラーゼ阻害作用とアデノシンA1受容体遮断作用により、気管支平滑筋を弛緩させる。
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解答 4、5
1 誤
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺胞Ⅱ型上皮細胞における肺サーファクタントの分泌促進や気管支の線毛運動を亢進させて去痰作用を示す。
2 誤
カルボシステインは、粘液構成成分の構成を正常化し、痰の粘性を低下させることで去痰作用を示す。なお、ムコタンパク質中のジスルフィド結合を開裂させることで去痰作用を示すのは、アセチルシステインなどの去痰薬である。
3 誤
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体遮断薬であり、ベンゾジアゼピン系薬による過度の鎮静や呼吸抑制の改善に用いられる。なお、肺伸展受容器を選択的に抑制することで鎮咳作用を示す薬物は、ベンゾナテート(現在適応なし)である。
4 正
ノスカピンは、非麻薬性鎮咳薬であり、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示す。麻薬性鎮咳薬であるコデインやジヒドロコデインは、呼吸抑制作用や依存などを示すが、非麻薬性鎮咳薬は、呼吸抑制作用や依存などを示さない。
5 正
テオフィリンは、キサンチン誘導体であり、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を上昇させることで気管支平滑筋を弛緩させる。また、テオフィリンは、アデノシンA1受容体を遮断し、Giタンパク質を介したアデニル酸シクラーゼ活性抑制を解除することでcAMP濃度を上昇させ、気管支平滑筋を弛緩させると考えられている。
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