薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 161
抗菌薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 リンコマイシンは、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで細菌のDNA複製を阻害する。
2 スルファメトキサゾールは、パラアミノ安息香酸と競合的に拮抗することで葉酸の生合成を阻害する。
3 ノルフロキサシンは、DNAジャイレースを阻害することで細菌のDNA複製を抑制する。
4 セファゾリンは、ミコール酸の生合成を阻害することで結核菌に対して抗菌作用を示す。
5 リファンピシンは、リボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害することで細菌のタンパク質生合成を抑制する。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2、3
1 誤
リンコマイシンは、リンコマイシン系抗菌薬であり、細菌のリボソーム50Sサブユニットに結合することでペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害し、タンパク質合成を阻害する。
2 正
スルファメトキサゾールは、スルホンアミド系薬(サルファ剤)であり、パラアミノ安息香酸(PABA)と競合的に拮抗することで葉酸の生合成を阻害する。
3 正
ノルフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬であり、DNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)やトポイソメラーゼⅣを阻害することで細菌のDNA複製を抑制する。
4 誤
セファゾリンは、第一世代セフェム系抗菌薬であり、細胞壁合成酵素であるトランスペプチダーゼ(別名:ペニシリン結合タンパク質)と結合して、細菌細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を示す。なお、ミコール酸の生合成を阻害することで結核菌に対して抗菌作用を示す薬物には、イソニアジドやデラマニドがある。
5 誤
リファンピシンは、抗結核薬であり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNA合成を抑制する。なお、リボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害することで細菌のタンパク質生合成を抑制する薬物には、リンコマイシン系抗菌薬やマクロライド系抗菌薬などがある。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿