薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 163
がんのホルモン療法薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 デガレリクスは、脳下垂体の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体を遮断することで黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制する。
2 ゴセレリンは、乳がん細胞のエストロゲン受容体を遮断することでがん細胞の増殖を抑制する。
3 エンザルタミドは、前立腺がん細胞のアンドロゲン受容体を遮断することでがん細胞の増殖を抑制する。
4 アナストロゾールは、5α-還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの産生を抑制する。
5 アビラテロンは、アロマターゼを阻害することでエストロゲンの産生を抑制する。
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解答 1、3
1 正
デガレリクスは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体遮断薬であり、脳下垂体のGnRH受容体を遮断することで、GnRHによる黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を抑制するため、前立腺がんに用いられる。
2 誤
ゴセレリンは、GnRH製剤であり、持続投与によりGnRH受容体のダウンレギュレーションを引き起こし、LH及びFSHの分泌を抑制するため、閉経前乳がん、前立腺がんなどに用いられる。
3 正
エンザルタミドは、非ステロイド性抗アンドロゲン薬であり、前立腺がん細胞のアンドロゲン受容体を競合的に遮断することでがん細胞の増殖を抑制するため、去勢抵抗性前立腺がんに用いられる。
4 誤
アナストロゾールは、アロマターゼ阻害薬であり、脂肪組織におけるアンドロゲンからエストロゲンの産生を抑制するため、閉経後乳がんに用いられる。
5 誤
アビラテロンは、アンドロゲン合成酵素である17α−水酸化酵素/C17,20−リアーゼ(CYP17)活性を阻害する。それにより、アンドロゲン合成を抑制しがん細胞の増殖を抑制するため、去勢抵抗性前立腺がんに用いられる。
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