薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 164
抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 パクリタキセルは、チューブリンの重合を阻害することで有糸分裂を抑制する。
2 ブレオマイシンは、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断する。
3 ボルテゾミブは、プロテアソームを活性化することで転写因子NF-κBの活性化を阻害する。
4 ラムシルマブは、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。
5 カルボプラチンは、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。
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解答 2、4
1 誤
パクリタキセルは、タキサン系抗悪性腫瘍薬であり、チューブリンの重合を促進し、微小管の過剰形成・安定化を引き起こすことで、有糸分裂を阻害する。
2 正
ブレオマイシンは、細胞内で鉄(Fe2+)とキレートを形成し、活性酸素(ラジカル)を発生させDNA鎖を切断する。
3 誤
ボルテゾミブは、骨髄腫細胞等のがん細胞のプロテアソームを阻害し、転写因子NF-κBの活性化を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制する。
4 正
ラムシルマブは、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体であり、VEGFのVEGFR2への結合を抑制することにより、血管内皮細胞の増殖、遊走及び生存を阻害し、腫瘍血管新生を阻害する。
5 誤
カルボプラチンは、白金製剤であり、DNAに架橋を形成することでDNA合成を阻害する。なお、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体製剤には、トラスツズマブがある。
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