薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 183
ネフローゼ症候群の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 低アルブミン血症が認められる。
2 食事療法は高タンパク食を基本とする。
3 浮腫の改善にはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬が用いられる。
4 血液凝固能亢進の改善の第一選択薬として、アスピリンが用いられる。
5 ステロイド抵抗性を示す場合は、免疫抑制薬が併用される。
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解答 1、5
1 正
ネフローゼ症候群とは、高度のタンパク尿により低タンパク(低アルブミン)血症をきたす腎臓疾患群の総称であり、すべての場合に高タンパク尿、低アルブミン血症が認められる。
2 誤
ネフローゼ症候群では、高度のタンパク尿により低アルブミン血症をきたすが、高タンパク食は機能が低下している腎臓に負担をかけることとなり、タンパク尿の漏出が進行するため、現在は行われていない。ネフローゼ症候群などの腎疾患に対しては、一般的に減塩や食事タンパクの制限などの食事療法が行われる。
3 誤
ネフローゼ症候群における浮腫の改善の第1選択には、ループ利尿薬が選択される。
4 誤
ネフローゼ症候群では、低アルブミン血症に伴う代償的な肝機能の亢進により、血液凝固能が亢進し血栓症を合併することがあり、その血栓症の予防としてワルファリン(抗凝固薬)やジピリダモール(抗血小板薬)などが用いられる。
5 正
ネフローゼ症候群の初期治療には副腎皮質ステロイド薬を用いるが、ステロイド抵抗性により副腎皮質ステロイド薬が奏功しない場合には、シクロスポリンなどの免疫抑制薬を併用する。
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