薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 実践問題 - 問 312,313

76歳男性。脳梗塞の既往と高血圧、脂質異常症（高脂血症）、不眠、便秘のため、以下の処方により治療を継続中である。薬局での服薬指導時に、患者から最近便が黒っぽいとの訴えがあった。薬剤師が主治医に連絡したところ、精密検査により大腸がんが見つかり、3ヶ月後に切除手術を受けることになった。


問312（実務）
入院手術前に医師と協議の上、この薬剤師が薬学的管理をすることになった。上記の処方の中で、休薬の必要性が高いのはどれか。２つ選べ。

１　処方1
２　処方2
３　処方3
４　処方4
５　処方5


問313（法規・制度・倫理）
その後、手術では患部を取りきれず、退院時の見込みでは、日常生活を送る上で介護を要するであろうとのことであった。介護保険制度に照らした当該患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。１つ選べ。

１　第2号被保険者である。
２　要介護認定を受けた場合に介護サービスが受けられる。
３　要介護認定は都道府県が行う。
４　要介護認定は疾病の重症度が判定基準とされる。
５　保険料は医療保険者が徴収し社会保険診療報酬支払基金に納付する。

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問312　解答　２、３

本患者は、大腸がんが見つかり３ヶ月後に切除手術を受けることになっており、抗凝血作用や血小板凝集抑制作用を有する薬物を手術時に服用していると手術に伴う出血が助長されるおそれがあるため、手術前に休薬する必要がある。そのため、本問の選択肢のうち手術前に休薬する必要があるのは、血小板凝集抑制作用を有する薬物であるイコサペント酸エチル粒状カプセルとシロスタゾール錠である。


問313　解答　２

１　誤
当該患者は76歳であるため、第1号被保険者である。介護保険において、保険者である市町村又は特別区の区域内に住所を有する65歳以上の者を第1号被保険者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者を第2号被保険者という。

２　正
介護保険制度では、要介護認定を受けた場合に介護サービスを受けられ、要支援認定を受けた場合には介護予防サービスを受けられる。

３　誤
要介護認定や要支援認定は、介護認定審査会の判定に基づいて、市町村又は特別区が行う。

４　誤
要介護認定は疾病の重症度が判定基準とされるわけではなく、要介護認定等基準時間を基準として判定される。なお、要介護認定等基準時間とは、被保険者に対して行われる5分野（直接生活介助、間接生活介助、問題行動関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為）に要する一日当たりの時間として厚生労働大臣の定める方法により推計される時間である。

５　誤
第1号被保険者の保険料は、市町村又は特別区が徴収する。なお、第2号被保険者の保険料は、被保険者の加入する医療保険の保険者が徴収し、市町村又は特別区に納付する。

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