薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 必須問題 - 問 1

親核種よりも原子番号が1つ小さい娘核種を生成する放射壊変はどれか。１つ選べ。

１　α壊変
２　β－壊変
３　β＋壊変
４　γ転移（核異性体転移）
５　自発核分裂

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解答　３

放射壊変とは、不安定な原子核（親核種）が放射線（α線、β線、γ線など）を出すことにより安定な原子核（娘核種）に変化することをいう。また、親核種から娘核種へ変化する際、原子を構成する陽子や中性子の数が変化することにより、原子番号（陽子数）や質量数（陽子数＋中性子数）が変化する。放射壊変には、α壊変、β－壊変、β＋壊変、γ転移（核異性体転移）、EC壊変（軌道電子捕獲壊変）、自発核分裂などがある。

１　誤
α壊変は、質量数の大きな核種が、ヘリウム原子核（陽子2個、中性子2個）を放出する壊変であり、原子番号は－2、質量数は－4となる。

２　誤
β－壊変は、中性子過剰核種が、中性子1個を陽子1個に変換する際、陰電子を放出する壊変であり、原子番号は＋1、質量数は±0となる。

３　正
β＋壊変は、陽子過剰核種が、陽子1個を中性子1個に変換する際、陽電子を放出する壊変であり、原子番号は－1、質量数は±0となる。

４　誤
γ転移（核異性体転移）は、α、β、EC壊変後に、娘核種がまだ不安定な励起状態の場合、余分なエネルギーを原子核内からγ線として放出して安定な基底状態になろうとする壊変であり、原子番号、質量数はともに変化しない。

５　誤
自発核分裂は、外部からのエネルギーを加えることなく、原子核が自発的に二つまたは三つの原子核に分裂する現象であり、原子番号、質量数はともに大きく変化する。

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