薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 118
A〜Eの構造をもつビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 Aは、ピルビン酸脱水素酵素やα−ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素としてエネルギー産生に関与する。
2 Bは、ビタミンB12によるメチル基転移を介して、ホモシステインからのメチオニンの生合成に関与する。
3 Cは、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。
4 Dは、血液凝固因子プロトロンビンのグルタミン酸残基のγ−グルタミル化に関与する。
5 Eは、光を感知するロドプシンの成分として視覚機能に関与する。
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解答 2、3
1 誤
Aは、ピリドキサール(ビタミンB6の一種)である。ピリドキサールは、生体内で補酵素のピリドキサールリン酸(PLP、PAL−P)となり、アミノ基転移反応や脱炭酸反応などのアミノ酸代謝に関与する。なお、α−ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素としてエネルギー産生に関与するのは、活性型ビタミンB1(チアミンピロリン酸)である。
2 正
Bは、葉酸である。葉酸はメチオニン生合成に関与する。葉酸は、生体内で活性型のテトラヒドロ葉酸(THF)となり、メチルコバラミン(ビタミンB12の補酵素の1つ)によるホモシステインからメチオニン生合成に関与するメチル基転移反応の補酵素として働く。
3 正
Cは、L−アスコルビン酸(ビタミンC)である。L−アスコルビン酸は、プロリンやリシン残基の水酸化反応の補酵素としてコラーゲンの合成に関与する。
4 誤
Dは、レチノール(ビタミンA)である。レチノールは、網膜でレチナールに変換された後、オプシンと結合し、ロドプシンとなる。ロドプシンは網膜の桿体に分布し、光を感知する光受容体として視覚機能に関与する。
5 誤
Eは、メナキノン(ビタミンK2)である。メナキノンは、ビタミンK依存性血液凝固因子の1つであるプロトロンビンは、構造中のグルタミン酸残基がビタミンKによりγ−カルボキシ化されて生成する。
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