薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 129
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 単回投与毒性試験の目的の1つは、許容一日摂取量(ADI)を決定することである。
2 単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求される。
3 反復投与毒性試験の目的の1つは、無毒性量(NOAEL)あるいは最小毒性量(LOAEL)を決定することである。
4 遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験法と、染色体異常や遺伝子突然変異を検出する試験法がある。
5 催奇形性試験は、動物愛護の観点から、げっ歯類のみで行うことが推奨されている。
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解答 3、4
化学物質の毒性試験は、一般毒性試験(単回投与毒性試験、反復投与毒性試験)と特殊毒性試験(変異原性試験、癌原性試験、催奇形性試験、繁殖試験など)に大別される。本試験により、50%致死量(LD50)、無毒性量(NOAEL)、最小毒性量(LOAEL)などを求めることができる。
1 誤
単回投与毒性試験の目的は、被験物質を哺乳動物に単回投与した時の量−反応関係を明らかにすることであり、LD50(50%致死量)を求めることができる。なお、許容一日摂取量(ADI)は、反復投与毒性試験と特殊毒性試験の結果によって求められる無毒性量(NOAEL)や最小毒性量(LOAEL)から算出される。
2 誤
食品添加物はADIを超えないように使用基準が決まっている。ADIは反復投与毒性試験や特殊毒性試験の結果から求めることができる。よって、単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求されない。
3 正
解説1参照
4 正
遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験法と、染色体異常や遺伝子突然変異を検出する試験法がある。遺伝毒性試験は、体細胞および生殖細胞に遺伝子変化(突然変異)を引き起こし、ヒトの健康へ深刻な影響を及ぼす可能性がある物質を同定し、健康リスク評価に利用することを目的としている。
5 誤
催奇形性試験では、マウスやラットなどのげっ歯類の他、ウサギやサルなども実験動物として用いられる。
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解説動画1 ( 06:23 )
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