薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 130
アルコールの中毒と代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 エタノールの代謝によって生じるアセトアルデヒドにより、頭痛や悪心、嘔吐などが引き起こされる。
2 欧米人に比べて、日本人ではアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低い人の割合が高い。
3 アルコール依存症の患者は、ウェルニッケ脳症などのビタミンB1欠乏症を起こすことがある。
4 メタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることによって低減される。
5 メタノール中毒患者の治療にエタノールが用いられることがある。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 4
1 正しい
エタノールは、主にアルコール脱水素酵素(ALDH)によってアセトアルデヒドに代謝され、頭痛や悪心、嘔吐などを引き起こす。
2 正しい
3 正しい
アルコールには、ビタミンB1の吸収を抑制する作用がある。また、アルコールが代謝されてエネルギーに変換される際にビタミンB1を大量に消費する。よって、アルコール依存症の患者は、ウェルニッケ脳症などのビタミンB1欠乏症を起こすことがある。
4 誤っている
メタノールは、ホルムアルデヒドやギ酸に代謝されることによって視力障害を引き起こす。よって、メタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることによって増大される。
5 正しい
メタノールとエタノールは、どちらも主にALDHによって代謝を受ける。よって、メタノール中毒患者にエタノールを用いると、ALDHの競合阻害が起こり、メタノールの代謝が阻害され、眼毒性が低減される。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿