薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 151
細胞膜受容体を介する情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ニコチン性アセチルコリンNN受容体が刺激されると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑制され、サイクリックAMP(cAMP)濃度が低下する。
2 ムスカリン性アセチルコリンM2受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP濃度が上昇する。
3 アドレナリンα1受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。
4 バソプレシンV2受容体が刺激されると、受容体分子内のイオンチャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。
5 インスリン受容体が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。
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解答 3、5
細胞膜受容体は、イオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、酵素共役型受容体に大別される。
1 誤
ニコチン性アセチルコリンNN受容体は、イオンチャネル(カチオンチャネル)内蔵型受容体である。NN受容体を刺激すると、受容体分子内のイオンチャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。
2 誤
ムスカリン性アセチルコリンM2受容体は、Giタンパク質共役型受容体である。M2受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑制され、細胞内cAMP濃度が低下する。
3 正
アドレナリンα1受容体は、Gqタンパク質共役型受容体である。α1受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、細胞内ジアシルグリセロール(DG)とイノシトール三リン酸(IP3)濃度が上昇する。
4 誤
バソプレシンV2受容体は、Gsタンパク質共役型受容体である。V2受容体を刺激すると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内cAMP濃度が上昇する。
5 正
インスリン受容体は、酵素共役型受容体である。インスリン受容体を刺激すると、受容体の細胞質領域のβ鎖に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。
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