薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 183
前立腺肥大症の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 前立腺の外腺部分が肥大し、排尿障害を起こす。
2 前立腺肥大症は、前立腺がんへ進展する。
3 前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺肥大症の確定診断に有用である。
4 タムスロシン塩酸塩を治療に用いる場合は、起立性低血圧に対する注意が必要である。
5 ブチルスコポラミン臭化物は、前立腺肥大症による排尿障害の改善に有用である。
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解答 4
1 誤
前立腺肥大症は、前立腺内腺部分(移行領域)と尿道周囲組織の肥大を認める疾患である。
2 誤
前立腺肥大症は良性の腫瘍を形成する疾患であり、前立腺がんは悪性の腫瘍を形成する疾患である。以上から両者は異なる疾患であるため、前立腺肥大症から前立腺がんへ進展することはない。
3 誤
前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺がんや前立腺肥大症、前立腺炎などの様々な前立腺疾患で高値を示す。そのため、前立腺肥大症の診断のための検査の1つとして実施されるが、確定診断には用いることができない。
4 正
タムスロシン塩酸塩などのアドレナリンα1受容体遮断薬は、尿道括約筋及び前立腺平滑筋弛緩作用により尿路を拡張することで、早期から症状の改善を期待できる。ただし、血管平滑筋弛緩作用による起立性低血圧や頭痛などの副作用に注意が必要である。
5 誤
ブチルスコポラミン臭化物は抗コリン薬であり、前立腺平滑筋収縮作用により、排尿障害を悪化させることがある。そのため、前立腺肥大症による排尿困難のある患者には投与禁忌である。
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