薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 185
骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 石灰化が不十分な骨組織である類骨が増加する疾患である。
2 PINP(Ⅰ型プロコラーゲン−N−プロペプチド)は有用な血清骨吸収マーカーである。
3 運動療法により骨吸収が抑制され、骨量増加が期待される。
4 食事療法として、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取が推奨される。
5 デノスマブで治療する際は、高カルシウム血症に注意が必要である。
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解答 3、4
1 誤
骨粗しょう症は、低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である。なお、本選択肢は、骨軟化症に関する記述である。
2 誤
骨代謝マーカーには、骨芽細胞に関与する骨形成マーカー及び破骨細胞に関与する骨吸収マーカー、ならびに骨質に関与する骨マトリックス関連マーカーがある。PINP(Ⅰ型プロコラーゲン−N−プロペプチド)は、骨芽細胞で合成・分泌されたⅠ型コラーゲンがペプチダーゼの作用により切断・放出される代謝産物であるり、骨形成マーカーの一種である。
3 正
適度な運動に伴う骨への一定以上の負荷は、骨代謝回転を活発にすることで、骨形成の促進および骨吸収の抑制による骨量増加が期待できる。
4 正
食事療法として、骨の成分であるカルシウム、腸管からのカルシウムの吸収に関わるビタミンD、骨形成に関与するオステオカルシンの合成を促進するビタミンKの摂取が推奨される。
5 誤
デノスマブの重要な基本的注意に、投与により低カルシウム血症があらわれることがあるため注意が必要である。なお本剤は、血清補正カルシウム値が高値でない限り、毎日カルシウム及びビタミンDの経口補充のもと投与することとされている。
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