薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 実践問題 - 問 326
55歳女性。159 cm、60 kg。卵巣がんにて、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブを用いた外来化学療法を施行している。来院日の臨床検査値から判断して、医師はレノグラスチム注100 μgを投与して、以下の処方を追加した。臨床検査値は、体温37.8℃、白血球数2×103 個/μL、好中球40%(白血球百分率)、血清クレアチニン値0.64 mg/dL、eGFR 74.0 mL/min/1.73 m2であった。
薬剤師はこの処方に疑義を抱いた。薬剤師が行う処方提案として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 セフカペンピボキシル塩酸塩錠100 mgを1回1錠、1日2回朝夕食後にする。
2 セフカペンピボキシル塩酸塩錠100 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。
3 レボフロキサシン錠250 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。
4 レボフロキサシン錠500 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。
5 シプロフロキサシン塩酸塩錠100 mgを1回2錠、1日2回朝夕食後にする。
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解答 4、5
がん化学療法施行時に注意すべき副作用の一つに、骨髄抑制に伴う発熱性好中球減少症(FN:febrile neutropenia)がある。本患者はがん化学療法を施行しており、体温が37.8℃で好中球数が800個/μL(白血球数2×103個/μL×好中球40%(白血球百分率))と減少していることや、医師がG−CSF製剤であるレノグラスチムにより対処していることから、FNを引き起こしていると考えられる。
FNは感染症により症状が重症化することが多く、発熱後直ちに広域抗菌薬であるニューキノロン系抗菌薬を投与する必要がある。本症例では、セフェム系抗菌薬が処方されていたため、ニューキノロン系抗菌薬への変更の疑義が必要となる。
なお、レボフロキサシンは腎機能が正常な患者の場合は1日1回500 mgを経口投与する。(本患者の腎機能は血清クレアチニン値0.64 mg/dL(基準値:0.5〜1.3 mg/dL)であり正常。)また、シプロフロキサシンは、1日2〜3回100〜200 mgを経口投与する。
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