薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 実践問題 - 問 343
45歳男性。腎移植術2日前よりタクロリムスカプセルを1日1回10 mg服用し、術後はタクロリムス注射液を投与されている。この患者におけるタクロリムスのTDMについて適切なのはどれか。2つ選べ。
1 術後1週間程度は頻回に測定する。
2 術前に最低1回はTDMを行う。
3 TDMには血漿を用いる。
4 タクロリムスの投与2時間後に採血する。
5 退院後は有効血中濃度の上限を目標とする。
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解答 1、2
1 正
タクロリムスの治療薬物モニタリング(TDM)は、術後1週間程度は頻回に測定する必要がある。なお、退院するまでの3〜4週間は週に2〜3回程度、退院後3ヶ月目までは月に2回程度、3ヶ月以降は月に1〜2回程度の頻度でモニタリングを行う。
2 正
移植前からタクロリムスの投与を開始し、移植日当日の術前値からモニタリングを開始するため、術前に最低1回はTDMを行う。
3 誤
タクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、TDMには全血を用いる。
4 誤
タクロリムスのTDMはトラフ値のモニタリングが推奨されているため、タクロリムスの次回投与の直前に採血する。また、本患者のように内服から注射に切り替えた場合は、切り替えから12〜24時間後に測定する。
5 誤
タクロリムスの有効血中濃度は5〜20 ng/mLであるが、退院後は有効血中濃度の下限である5 ng/mL前後を目標とする。
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