薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 96
薬物の多くは生体膜上の受容体やチャネル等を介して作用する。それらの機能に大きく関与する生体膜の構造と脂質分子の運動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 生体膜は、リン脂質分子の極性頭部同士が向かい合わせとなった脂質二重層構造である。
2 生体膜中のコレステロールは、膜の流動性に影響を与えない。
3 生体膜中のリン脂質分子は、その長軸まわりに回転運動をしている。
4 生体膜中のリン脂質分子は、二重層の一方の層からもう一方の層に移動(フリップ・フロップ)できる。
5 生体膜中のリン脂質分子は、二重層の同一の層内で移動することができない。
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解答 3、4
1 誤
生体膜は、リン脂質分子の非極性の尾部同士が向かい合わせとなった脂質二重層構造である。
2 誤
生体膜中のコレステロールは、膜の流動性に影響を与え、膜の流動性を保つ役割を担う。なお、コレステロールは脂溶性ビタミンの代謝に関わるだけでなく、種々のステロイドホルモン合成の主要な前駆体になるなど、生体活動において重要な物質である。
3 正
生体膜中のリン脂質分子は、その長軸まわりの軸回転運動を行うことや脂質二重層の平面方向に側方拡散運動を行うことがある。また、速度は遅いが二重層の外層から内層への移動(フリップ)や内層から外層への移動(フロップ)が起こる。このように二重層の一方の層からもう一方の層に移動をフリップ・フロップと呼ぶ。
4 正
解説3参照
5 誤
生体膜中のリン脂質分子は、二重層の同一の層内で移動することができる。
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解説動画1 ( 07:46 )
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