薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 104
化合物Aの反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 SO3が求電子剤として作用する置換反応である。
2 アの部分は共鳴効果による電子求引性を示す。
3 アの部分は誘起効果による電子供与性を示す。
4 アの部分のかさ高さのため、オルト置換体が得られにくい。
5 Aの代わりにベンゼンを基質とすると反応は遅くなる。
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解答 4、5
1 誤
本反応は、化合物A(芳香族化合物)に対して、+NO2(ニトロニウムイオン)が求電子剤として作用する求電子置換反応である。また、+NO2は、HNO3とH2SO4の混酸により生成する。
2 誤
アの部分は、窒素原子の誘起効果(電気陰性度の影響)による電子求引性とローンペアを有する窒素原子の共鳴効果による電子供与性を両方有する。アの部分は、共鳴効果の方が強いため、共鳴効果による電子供与性を示す。
3 誤
解説2参照
4 正
アの部分は電子供与基であり、求電子置換反応において、オルト・パラ配向性を示す。しかし、アの部分はかさ高い構造となっており、立体障害が大きい。そのため、オルト位で反応が起きにくく、オルト置換体は得られにくい。したがって、パラ置換体が主生成物となる。
5 正
求電子置換反応は芳香環の電子密度が高いほど反応は早くなる。化合物Aは、ベンゼン環に電子供与基が付いているためベンゼンより電子密度が高くなり、反応は早くなる。したがって、化合物Aの代わりにベンゼンを基質とすると本反応は遅くなる。
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