薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 113
哺乳類細胞におけるコレステロール及びその代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 コレステロールの3位のヒドロキシ基に脂肪酸が結合したコレステロールエステルは、コレステロールよりも親水性が高い。
2 コレステロール分子中の全ての炭素原子はアセチルCoA に由来する。
3 コレステロールの生合成過程において、メバロン酸1分子の合成には、4分子のアセチルCoA が必要である。
4 細胞内のコレステロール量が増加すると、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA(HMG−CoA)還元酵素遺伝子の転写が促進される。
5 コレステロールは、ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆体となる。
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解答 2、5
1 誤
コレステロールエステルは、コレステロールの3位のヒドロキシ基に脂肪酸がエステル結合しており、コレステロールの3位のヒドロキシ基が脂肪酸と結合していない遊離型コレステロールより疎水性が高い。なお、 コレステロールエステルは血漿リポタンパク質に多く含まれており、遊離型コレステロールは動物細胞膜に多く含まれている。
2 正
コレステロールは、主に肝臓や小腸においてアセチルCoAから合成される。そのため、コレステロール分子中の全ての炭素原子はアセチルCoA に由来する。
3 誤
コレステロールの生合成過程において、メバロン酸1分子(C6)の合成に必要なアセチルCoA (C2)は3分子である。
4 誤
細胞内のコレステロール量が増加すると、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA(HMG−CoA)還元酵素遺伝子の転写が抑制される。
5 正
コレステロールは、性線や副腎皮質においてはステロイドホルモンの前駆体として用いられたり、肝臓において胆汁酸の前駆体として用いられたりする。
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