薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 128
表は、我が国における男女別の死亡統計(人口千対)の推移を示したものである。この表及び我が国の死亡統計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 1950年から1980年までの問、粗死亡率が低下しているのは、この期間に出生率が上昇したためである。
2 1990年から2016年まで粗死亡率が上昇しているのは、この期間に健康水準が低下したためである。
3 1990年から2016年まで、粗死亡率は上昇しているにもかかわらず年齢調整死亡率が低下しているのは、この期間の人口の高齢化を反映している。
4 年齢調整死亡率は、1985年の年齢別死亡率を基準にして、対象集団の年齢別人口構成で補正したものである。
5 2016年における年齢調整死亡率の性差が、粗死亡率の性差より顕著であるのは、その年の年齢別人口構成の性差が顕著であることを反映している。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 3、5
1 誤
戦後、我が国の粗死亡率(死亡率)は、生活環境の改善、食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩等により、乳幼児や青年の死亡率が大幅に低下したためである。
2 誤
1990年以降、粗死亡率は増加傾向にあり、主な要因として高齢化があげられる。高齢化の進展により、他の年齢階層と比べて死亡率が高い高齢者の占める割合が増加する。
3 正
一般に、基準人口(昭和60年モデル人口)に比べて老年人口が多い集団の粗死亡率は高く、年齢調整死亡率は低い。したがって、高齢化が進んでいる集団では、粗死亡率は高くなり、年齢調整死亡率は低くなる傾向にある。ゆえに、1990年から2016年まで、粗死亡率は上昇しているにもかかわらず年齢調整死亡率が低下しているのは、この期間の人口の高齢化を反映している。
4 誤
我が国の年齢調整死亡率は、1985年(昭和60年)の人口構成を基準として、対象集団の年齢別死亡率で補正したものである。
5 正
表より、2016年における粗死亡率の性差は1.2、年齢調整死亡率の性差は2.3であり、年齢調整死亡率の性差が大きいことがわかる。したがって、2016年における、年齢別人口構成の性差が顕著であることを反映していると推測できる。
-
解説動画1 ( 10:53 )
-
※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です
再生速度
|
|
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿