薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 138
図は、公共用水域の環境基準(BOD又はCOD)達成率の年次推移を示したものである。BOD、COD及び図に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 BOD及びCODは、水中に含まれる有機物などの被酸化物を、それぞれ生物学的及び化学的に酸化分解するときに消費される酸素量である。
2 図中のAは湖沼、Bは河川を示している。
3 海域では、海水中の塩分がBOD測定に影響するため、環境基準としてCODが採用されている。
4 湖沼では、植物プランクトンによる酸素の産生の影響を避けるため、環境基準としてCODが採用されている。
5 海域や湖沼の閉鎖系水域では、水や有機物の外部交換が行われにくく、自浄能力を超えると深刻な水質汚濁が起こりやすい。
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解答 2
BOD(生物化学的酸素要求量)は水中の有機物が好気性微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量である。また、COD(化学的酸素要求量)は水中の有機物を酸化剤で酸化した際に消費される酸素の量である。平成30年度におけるBOD、CODの環境基準達成率は、河川:95.2%、湖沼56.7%、海域79.8%である。よって、グラフのAは河川、Bは湖沼である。
1 正しい
前記参照
2 誤っている
前記参照。湖沼は、閉鎖系水域のため、河川に比べて富栄養化による汚染が起こりやすく、環境基準達成率が低いことから判断できる。
3 正しい
水質汚濁に係る環境基準において、BODは河川、CODは湖沼と海域で設定されている。海域では海水中の塩分により好気性微生物の活動が抑制されるためBODが適用できない。
4 正しい
BODは、20℃、5日間で好気性微生物により消費される酸素量(mg/L)を溶存酸素の変化量で測定する。湖沼では、植物プランクトンが多く、光合成による酸素の産生の影響を受けやすいため、BODのかわりにCODが採用されている。
5 正しい
海域や湖沼などの閉鎖系水域では、水が停滞しやすく清浄な水の流入が起こりにくいため、水や有機物の外部交換が行われにくい。そのため、自浄能力を超えると深刻な水質汚濁が起こりやすい。
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