薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 151
受容体と細胞内情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 イオンチャネル内蔵型受容体には、陽イオンを細胞内に流入させるグリシン受容体が含まれる。
2 Gタンパク質共役型受容体(GPCR)には、アデニル酸シクラーゼ活性化能を持つものがあり、ドパミンD2受容体が含まれる。
3 GPCRには、ホスオリパーゼC活性化能を持つものがあり、アドレナリンα1受容体が含まれる。
4 酵素共役内蔵型受容体には、細胞膜を1回貫通し細胞内に酵素活性を持つか、酵素に直接結合するものがあり、インスリン受容体が含まれる。
5 核内受容体には、細胞質においてリガンドと結合したのち核内に移行し、遺伝子の転写を調節するものがあり、バソブレシンV1受容体が含まれる。
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解答 3、4
1 誤
グリシン受容体は、陰イオンチャネル内蔵型受容体であり、受容体が刺激されると、陰イオンであるCl-を細胞内に流入させ過分極を引き起こす。なお、イオンチャネル内蔵型受容体のうち、陽イオンを細胞内に流入させる受容体には、ニコチン性アセチルコリン受容体やNMDA型グルタミン酸受容体などがある。
2 誤
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)には、アデニル酸シクラーゼ活性化能を持つGsタンパク質共役型受容体があり、アドレナリンβ受容体やドパミンD1受容体などが含まれる。なお、ドパミンD2受容体は、アデニル酸シクラーゼ抑制能を持つGiタンパク質共役型受容体である。
3 正
GPCRには、ホスオリパーゼC活性化能を持つGqタンパク質共役型受容体があり、アドレナリンα1受容体やヒスタミンH1受容体などが含まれる。
4 正
酵素共役内蔵型受容体には、細胞膜を1回貫通し細胞内に酵素活性を持つか、酵素に直接結合するものがあり、インスリン受容体や上皮成長因子受容体(EGFR)などが含まれる。
5 誤
核内受容体には、細胞質においてリガンドと結合したのち核内に移行し、遺伝子の転写を調節するものがあり、糖質コルチコイド受容体などが含まれる。なお、バソプレシンV1受容体は、ホスオリパーゼC活性化能を持つGqタンパク質共役型受容体である。
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