薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 186
子宮内膜症の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 子宮平滑筋が増殖する疾患である。
2 エストロゲン非依存性疾患である。
3 下腹部痛、月経痛などの症状がある。
4 GnRHアンタゴニストが用いられる。
5 ダナゾール投与により治療を行う際は血栓症に注意が必要である。
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解答 3、5
1 誤
子宮内膜症とは、卵管、卵巣、膣等の子宮粘膜上皮以外の場所に、子宮内膜やその類似組織が発生・増殖する疾患である。
2 誤
エストロゲンは子宮内膜増殖作用を有するため、異所性に子宮内膜の増殖を認める子宮内膜症は、エストロゲン依存性疾患である。
3 正
子宮内膜症の症状として、月経痛、下腹部痛、性交痛、不妊などがある。
4 誤
子宮内膜症の治療には、反復投与により性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体減少に伴うエストロゲンの分泌抑制を起こすGnRHアゴニスト製剤(リュープロレリンなど)が用いられる。
5 正
ダナゾールは男性ホルモン誘導体であり、脳下垂体前葉に作用してゴナドトロピンの分泌を抑制するとともに、子宮内膜組織に直接作用して異所性子宮内膜組織を萎縮・壊死させる作用を持つ。ただし、本剤は重大な副作用として、血栓症による動脈閉塞や脳梗塞など引き起こす危険があるため注意が必要である。
<2021.12 追記>
新しくGnRHアンタゴニスト製剤(レルゴリクス)が、子宮内膜症に基づく疼痛の改善に適応をとったため、現在では選択肢4は正の文章となる可能性がある。
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