薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 実践問題 - 問 318,319
保険薬局に勤務して3年が経過した薬剤師が、今年度から近隣の中学校の学校薬剤師を担当することになった。1ヶ月後には薬物乱用防止教室での講師を担当することになっている。そのため、学校保健安全法の内容を確認することにした。
問318(法規・制度・倫理)
この法律に基づく学校薬剤師の職務として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
1 学校安全計画の立案への参与
2 環境衛生検査の実施
3 学校環境衛生の指導と助言
4 学校において使用する医薬品に関する指導と助言
5 健康診断の実施
問319(実務)
この薬剤師が行う薬物乱用防止教室に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 薬物乱用防止に関する講演は薬剤師に特化した職務である。
2 麻薬の廃棄方法について説明する。
3 薬物乱用が心身に及ぼす影響について説明する。
4 麻薬・覚せい剤に関する基礎知識について説明する。
5 薬物乱用とは、何回も繰り返して薬物を使用することであると説明する。
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問318 解答 5
学校保健安全法において、大学以外の学校には学校薬剤師の設置が義務付けられており、学校薬剤師は以下の職務に従事する。
【学校薬剤師の職務】
・学校保健計画の立案に参与する(選択肢1)
・環境衛生検査に従事する(選択肢2)
・学校の環境衛生の維持及び改善に関し、必要な指導及び助言を行う(選択肢3)
・健康相談に従事する
・保健指導に従事する
・学校において使用する医薬品、毒物、劇物並びに保健管理に必要な用具及び材料の管理に関し必要な指導と助言を行い、これらのものについて必要に応じ試験、検査又は鑑定を行う(選択肢4)
・必要に応じ、学校における保健管理に関する専門的事項に関する技術及び指導に従事する 等
以上より、健康診断の実施(選択肢5)は学校薬剤師の職務ではない。なお、健康診断の実施を行うのは、学校医(医師)である。
問319 解答 3、4
1 誤
薬物乱用防止に関する講演は薬剤師だけでなく、医師、看護師、警察職員、麻薬取締官、薬務行政の担当者などが実施するため、薬剤師に特化した職務ではない。
2 誤
原則、一般人は麻薬の所持が禁じられているため、薬物乱用防止教室において麻薬の廃棄方法の説明は不要である。
3 正
薬物乱用防止教室では、「薬(麻薬・覚せい剤・危険ドラッグなど)に関する基礎知識」、「薬物乱用・依存の成り立ち」、「喫煙、飲酒、薬物乱用の心身への影響」、「薬物乱用と社会的問題」、「薬物乱用防止の対策」、「意思決定能力の育成」などの講演が行われる。
4 正
解説3参照。
5 誤
薬物乱用防止教室では、薬物を疾病の治療や予防などの本来の目的以外で一度でも使用した場合、薬物乱用になると説明する。
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解説動画1 ( 03:19 )
解説動画2 ( 04:00 )
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