薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 182
単位操作と製剤機械に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ジェットミルは、ジュール・トムソン効果により粉砕時の温度の上昇を抑えられるので、熱に不安定な化合物や低融点化合物の粉砕に適している。
2 旋回スクリュー型混合機は、本体容器が回転することにより、粉粒体の集合と分割を交互に繰り返すことで混合が進行する。
3 流動層造粒装置は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧するので、装置内で圧密化を受けて重質な造粒物が得られる。
4 ロータリー型打錠機は、複数組の上下杵と臼を組み込むことができるので、大量生産に適している。
5 オーガ式のカプセル充てん装置は、瞬間的に薬物溶液をゼラチンで包み込めるので、シームレスカプセルを製することができる。
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解答 1、4
1 正
ジェットミルは、噴出する圧縮空気に試料を巻き込み、粒子同士あるいは容器壁との衝突によって粉砕する粉砕機である。本機は、ジュールトムソン効果(冷却効果)によって熱の発生を抑えられるため、熱に不安定な医薬品の粉砕に適している。
2 誤
混合機には、容器回転型及び容器固定型があり、容器固定型には旋回スクリュー型混合機、容器回転型にはV型混合機がある。本問では本体容器が回転すると記載されているので、旋回スクリュー型混合機ではなく、V型混合機の記述である。
3 誤
流動層造粒装置は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧するので、装置内で圧密化を受けず、軽質で不定形な造粒物が得られる。
4 正
ロータリー型打錠機は、複数組の上下杵と臼を組み込むことができるので、錠剤の大量生産に用いられる。
5 誤
滴下法(二重ノズル法)に関する記述である。滴下法(二重ノズル法)は、軟カプセルを製する方法で、瞬間的に薬物溶液をゼラチンで包み込めるので、シームレスカプセルを製することができる装置である。一方、オーガ式のカプセル充填装置は、硬カプセルの充填に使用される。
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