薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 理論問題 - 問 112
血小板に関わる分子についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される。
2 セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する。
3 アデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP3)量を増加させ、血小板凝集を促進する。
4 トロンボキサンA2は、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。
5 プロスタグランジンI2は、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)量を減少させ、血小板凝集を促進する。
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解答 1、4
1 正
血管内皮細胞が障害を受け剥離すると、血管内皮細胞下組織のコラーゲンにvon Willebrand因子(vWF)が結合する。血小板の糖タンパクであるGPⅠb/Ⅸ複合体が血管内皮細胞下組織のvWFと結合し血管内皮細胞下組織に粘着する。その後、粘着した血小板は活性化され細胞内Ca2+が上昇し、その結果、血小板からはADPやセロトニン、TXA2が放出され、最初に活性化された血小板周囲の血小板も二次的に活性化される。
2 誤
血小板細胞膜に存在するセロトニン5−HT2A受容体はGqタンパク共役型であり、セロトニンが受容体に作用すると、ホスホリパーゼCを活性化、それに伴うイノシトール三リン酸(IP3)量、Ca2+濃度を増加させ、血小板凝集を促進する。
3 誤
血小板細胞膜に存在するADP受容体(P2Y12受容体)はGiタンパク共役型であり、ADPが受容体に作用すると、アデニル酸シクラーゼの産生抑制、それに伴うcAMPの産生抑制が細胞内Ca2+濃度を増加させ、血小板凝集を促進する。
4 正
血小板細胞膜に存在するトロンボキサンTXA2受容体はGqタンパク共役型であり、トロンボキサンA2が受容体に作用すると、ホスホリパーゼCを活性化、それに伴うイノシトール三リン酸(IP3)量、Ca2+濃度を増加させ、血小板凝集を促進する。
5 誤
血小板細胞膜に存在するプロスタグランジンI2(PGI2)受容体はGsタンパク共役型であり、プロスタグランジンI2が受容体に作用すると、アデニル酸シクラーゼの産生、それに伴うcAMPの産生促進が細胞内Ca2+濃度を低下させ、血小板凝集を抑制する。
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