薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 96
紫外可視吸光度測定法を用いて、単一の波長により、ある化合物の濃度の異なる2種類の水溶液の透過率を測定したところ、水溶液Ⅰの透過率は50%、水溶液Ⅱの透過率は20%であった。水溶液ⅠとⅡを等量ずつ混合した水溶液の吸光度に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、log2=0.3、用いたセルの層長は1 cmとする。
1 0.3
2 0.5
3 0.7
4 1.0
5 1.5
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解答 2
水溶液ⅠとⅡについてそれぞれ、濃度をC1、C2、吸光度をA1とA2とする。また、水溶液ⅠとⅡは同一化合物であるため、吸光係数をkとする。
吸光度(A)は、透過度(t)の逆数の常用対数で定義されるため、A=log(1/t)の関係が成り立ち、水溶液ⅠとⅡの吸光度はそれぞれ次のように表せる。
水溶液Ⅰは、透過率50%(透過度0.5)なので、
A1 = log(1/0.5) = log2 = 0.3
水溶液Ⅱは、透過率20%(透過度0.2)なので、
A2 = log(1/0.2) = log5 = log(10/2) = log10-log2= 0.7
また、ランベルト・ベールの法則より、吸光度(A)は、濃度(C)とセルの層長(l)に比例するため、A=kClの関係が成り立ち、ⅠとⅡの濃度はそれぞれ次のように表せる。
水溶液Ⅰは、A1 = kC1lより、C1 = A1/kl = 0.3/kl
水溶液Ⅱは、A2 = kC2lより、C2 = A2/kl = 0.7/kl
ここで、水溶液ⅠとⅡを等量ずつ混合した水溶液の濃度(Cmix)は、C1とC2の平均となるため、
Cmix = (C1+C2)/2 ={(0.3/kl)+(0.7/kl)}/2 = 0.5/kl
となり、水溶液ⅠとⅡを等量ずつ混合した水溶液の吸光度(Amix)は、ランベルト・ベールの法則より、
Amix = kCmixl = k・(0.5/kl)・l = 0.5
と計算できる。
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解説動画1 ( 15:06 )
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