薬剤師国家試験 令和06年度 第109回 - 一般 理論問題 - 問 108
微生物由来の化合物A〜Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 Aは抗菌薬として利用されている。
2 Bのアグリコンは酢酸-マロン酸経路により生合成される。
3 Cはカルシウムイオンと難溶性のキレートを形成する。
4 Dはマクロライド系化合物と呼ばれる。
5 A〜Dは、真菌から単離された化合物である。
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解答 2、3
Aはタクロリムス、Bはエリスロマイシン、Cはテトラサイクリン、Dはバンコマイシンの構造である。
1 誤
Aは免疫抑制剤として利用されている。大環状ラクトンに糖が結合したものが抗菌薬として利用されるのに対し、大環状ラクトンに糖が結合していないタクロリムスは免疫抑制剤、エベロリムスは抗腫瘍抗生物質として利用される。
2 正
Bを含むマクロライド系抗菌薬のアグリコンは酢酸-マロン酸経路により生合成される。
3 正
Cを含むテトラサイクリン系の抗菌薬はヒドロキシ基やアミノ基を持つためカルシウムイオン等の金属イオンと難溶性のキレートを形成する。このため、テトラサイクリン系抗生物質を歯の石灰化期に投与すると、歯牙着色を起こすことが知られている。
4 誤
Dはグリコペプチド系抗生物質と呼ばれる。直鎖状のペプチド鎖に糖が2分子連結した構造を特徴にもつ。
5 誤
A〜Dは全て放線菌(細菌)から単離された化合物である。
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解説動画1 ( 14:13 )
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