薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 119
細菌毒素に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 リポ多糖は、グラム陰性菌外膜の構成成分であり、多糖部位に免疫刺激作用がある。
2 スーパー抗原は、B細胞受容体と非特異的に結合して抗体産生を抑制する。
3 ストレプトリジンOは、化膿レンサ球菌から産生され、コレステロールと結合して宿主の細胞膜に孔をあける。
4 ベロ毒素は、百日咳菌から産生され、咽頭粘膜と結合して偽膜を形成する。
5 破傷風毒素は、運動神経の終末部から取り込まれ、脊髄まで運ばれる。
REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 1、3、5
1 正
内毒素であるリポ多糖は、グラム陰性菌外膜の構成成分であり、主に活性本体のリピドAに免疫刺激作用がある。ただ、多糖部分にも一部免疫刺激作用がある。
2 誤
スーパー抗原には黄色ブドウ球菌等が産生する外毒素等があり、T細胞抗原受容体(TCR)の特定の部位に結合することでT細胞を非特異的に刺激して、T細胞からの過剰なサイトカイン分泌を促進し、発熱、発疹、ショックなどを引き起こす。
3 正
ストレプトリジンOは、化膿レンサ球菌から産生される毒素であり、赤血球などの細胞膜コレステロールと結合して、宿主細胞膜に小孔を形成し、溶血などの細胞破壊を引き起こす。
4 誤
ベロ毒素は、腸管出血性大腸菌等から産生され、タンパク質合成阻害作用により出血性大腸炎などを引き起こす。なお、咽頭粘膜と結合して偽膜を形成するのは、ジフテリア菌である。
5 正
破傷風毒素は、運動神経の終末部から取り込まれ、脊髄まで運ばれる。抑制性伝達物質の放出を阻害することにより骨格筋の強直性痙れん、呼吸困難を引き起こす。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿