薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 130
食の安全を確保するための法制度に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
1 食品衛生法に基づいて広域連携協議会が設置され、複数の都道府県にまたがる広域的な食中毒事案への対策が講じられている。
2 HACCPに沿った衛生管理では、都道府県が作成した衛生管理計画に基づいて衛生管理を実施しなければならない。
3 食品衛生法では、薬剤師は、指定成分等含有食品の摂取によるものと疑われる人の健康被害の把握に努めることとされている。
4 食品表示法に基づく栄養成分表示では、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム及びビタミン類の表示が義務づけられている。
5 分別生産流通管理(IPハンドリング)が行われた非遺伝子組換え農産物を原料とする食品は、「遺伝子組換えでない」の表示が義務づけられている。
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解答 1、3
1 正
食品衛生法では、大規模又は広域におよぶ食中毒への対策を強化する目的で、広域連携協議会が設置されている。大規模又は広域食中毒発生時にはこの協議会を活用して迅速に対応することとなっている。
2 誤
HACCP(Hazard analysis and critical control point)に沿った衛生管理は、事業所が自ら衛生管理計画を作成・実施する必要がある。HACCPとは、食品の生産・管理・流通・消費のそれぞれの過程において、食品衛生上、危害を及ぼす可能性がある微生物や異物の混入、食品の変質などをあらかじめ分析して予測し、それを防止するための重要管理点を設定し、連続的に監視することにより、製品の安全性を確保する高度な衛生管理手法である。
3 正
食品衛生法では、食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分または物であって、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定したもの(指定成分等)を含有する食品を指定成分等含有食品と定めており、医師、歯科医師、薬剤師その他の関係者は、指定成分等含有食品の摂取によるものと疑われる人の健康に関わる被害の把握に努めなければならない。指定成分には、コレウス・フォルスコリー、ドオウレン、プエラリア・ミリフィカ、ブラックコホシュの4種類がある。
4 誤
食品表示法において、栄養成分表示が義務付けられている栄養成分は、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)である。カルシウムなどのミネラルやビタミン類の表示は任意となっている。
5 誤
分別生産流通管理(IPハンドリング)が行われた非遺伝子組換え農産物を原料とする食品における「遺伝子組み換えでない」の表示は任意である。以下に、遺伝子組み換え食品の表示について記す。
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